ソフトウェア工学
刊行:2009年12月
ページ数:176
判型:A5判
税込価格:2,520円
ISBN10:4894715449
ISBN13:9784894715
反復型プロセスの導入を目指す開発チームのリーダーとマネジャー必読!
「効果的なソフトウェア開発」は、もはやIT業界やIT部門だけの関心ごとではない。企業全体にとっての重大事項である。しかしながら、企業活動に従事するほとんどの人が、ソフトウェア主導型のビジネスに関して意思決定を行なうのに、十分な情報を欠いたままである。そんな要望に応えるのが、本書『反復型開発のエコノミクス』である。本書では、数十年来のソフトウェア開発とビジネス経験における成果を振り返りながら、「経済性に基づく」開発手法(=反復型開発)の実践的な利用方法を解説する。これを導入することで読者は、技術投資から最大限のリターンを得るプロジェクトの計画と管理を行うことが可能になる。
第1 部では、従来の「エンジニアリングに基づいた」開発(=ウォーターフォール型開発)管理の非効率性と比較しながら、現在の事業環境におけるソフトウェア開発管理の成功とその難しさ、失敗の影響といったものを描き出している。第2 部では、反復型開発の原則やプラクティスに基づいたソフトウェア開発の新しいアプローチを取り上げる。経験を通じて確かめられた最良の手法が紹介されている。第3 部では、測定を通じて、こうした反復型開発のテクニックを確実に機能させる方法についてさらに詳しく解説する。そして、最後の付録では、評価尺度の目的を取り上げ、プロジェクトのライフサイクルを通じて「ばらつき」を減らすための手段についても触れている。
反復型開発の原則について、比較的短めの解説を求めている経験豊かなプロジェクト管理者にも、そのコンセプについての手頃な手引きを求めている初心者にも、本書は価値のある一冊となるだろう。
「監訳者まえがき」より
本書のセールスポイントは、「反復型開発を行う経営的なメリット=ソフトウェアエコノミクス」を中心に据えて、4 つのフェーズを持つ反復型の開発ライフサイクルのエッセンスを説明しているという点にあります。この4 つのフェーズを持つ反復型の開発ライフサイクルは、「計画や契約に従ってソフトウェアを作る」ことを重視する人、特に開発依頼者にとって反復型開発をより受け入れやすいものにするための切り札になる可能性があります。また、本書では反復型開発をモニターするための様々な測定も紹介されています。これらは4つのフェーズを通じて反復型開発が順調に進行しているかを診断する手段として役立つと期待できます。さらに、付録で「反復型開発を導入するためのガイド」が提供されています。反復型開発を始める際には、例えばどのようなプロジェクトやメンバーを選び、どんな作業を行えばよいか迷われる方が多いでしょう。付録は、そのような疑問に対する回答を提供しています。
【目次】
序文
著者について
監訳者まえがき
第1部 ソフトウェアで動く経済
第1章 ソフトウェアプロジェクト管理の課題
第2章 結果を達成する:ソフトウェアエコノミクスの真相
第2部 ソフトウェア開発の経済性を改善する
第3章 ソフトウェアエコノミクスのトレンド
第4章 ソフトウェアプロジェクトの規模と複雑さを低減
第5章 開発プロセスを改善する
第6章 チームの熟練度の改善
第7章 統合されたツールで自動化を改善
第8章 常識を通じて文化の転換を加速
第3部 ソフトウェアエンジニアリングの実際的な測定
第9章 ソフトウェア開発の評価尺度の実際的な見方
第10章 方向づけフェーズでは何を測定するか
第11章 推敲と作成のフェーズでは何を測定するか
第12章 移行フェーズで何を測定するか
第13章 プログラムに組み込まれたプロジェクトを測定する
付録 反復型プロジェクトの管理を開始する
索引
【著者紹介】
Walker Royce(ウォーカー・ロイス)
IBM社のWorldwide Rational Servicesのバイスプレジデント。1994年にRational社に入社し、1997年から2003年にIBM社がRational社を買収するまで、Profession
Software Project Management
Kurt Bittner(カート・ビットナー)
Ivar Jacobson Consulting
Ian Spenceとの共著にUse Case Modeling, Addison-We
Mike Perrow(マイク・ペロー)
IBM Software Group内のRational部門のライター兼編集者。Rational社が買収される前の2000年に電子雑誌{The Rational Edge}の創刊に加わり、以来、編集者を務めている。その中で、ラショナル統一プロセスや関連ツールセットの根底にある反復型ソフトウェア開発のコンセプトを説明するため、Walker Royce、Kurt Bittnerを中心としたRational社の方法論者やコンセプト考案リーダーたちと緊密な共同作業を行ってきた。The Southern Review、Shenandoah
【監訳者紹介】
藤井 拓(ふじいたく)
1990 年、家電メーカーから株式会社オージー情報システム総研(現オージス総研)に中途入社。1991 年にオブジェクト指向方法論を学び、以来オブジェクト指向方法論に関するトレーニング、コンサルティング、受託開発を実践。1997 年から1999 年まで、日本ラショナルソフトウェアに出向し、ラショナル社の日本でのビジネス展開や、製品の国際化および日本語化を支援。1999年オージス総研に帰社。1999 年から2002 年まで、京都大学大学院情報学研究科博士後期課程で反復的な開発における成果物変化の測定技術に関する研究に従事。現在は、反復的な開発アプローチやモデリングの実践や研究に従事。大阪大学招へい教授、UML モデリング推進協議会(UMTP)モデリング技術部会副主査、ソフトウェア技術者ネットワーク(S-open)幹事、技術士( 情報工学部門)、博士(情報学)。
現在、株式会社オージス総研技術部ソフトウェア工学センター。
[著書および監訳/翻訳書]
・IT トップガン育成プロジェクト、ソフトウェアエンジニアリング講座1『ソフトウェア工学の基礎』(日経BP 社、2007 年、共著)
・エレン・ゴッテスディーナー『実践ソフトウェア要求ハンドブック』(翔泳社、2009 年、監訳)
・ジョー・マラスコ『新・ソフトウェア開発の神話――成功するプロジェクトチームの科学と文化』(翔泳社、2009 年、翻訳)
・フィリップ・クルーシュテン『 ラショナル統一プロセス入門 ( 第3 版)』(アスキー・メディアワークス、2004 年、監訳/翻訳)
・イヴァー・ヤコブソン他『UML による統一ソフトウェア開発プロセス――オプジェクト指向開発方法論』(翔泳社、2000 年、監訳)
・ウォーカー・ロイス『ソフトウェアプロジェクト管理――21 世紀に向けた統一アプローチ〔新装版〕』(ピアソ ン・エデュケーション、200l 年、監訳)
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